「世論」の読み方はどっち？「せろん」と「よろん」の違い・語源・使い分けをやさしく解説！

ニュースや会話の中でよく見かける「世論」という言葉。
でも、「せろん」と読むの？それとも「よろん」が正しいの？と、迷ったことはありませんか？
本記事では、「世論」の正しい読み方や、その背景にある歴史、使い分け方まで、やさしく丁寧に解説していきます。

【結論】「世論」の読み方はどっちでもOK！正解は文脈で変わる

テレビのニュースや新聞、政治の場など、フォーマルな場面では「よろん」と読むのが一般的です。
NHKなどの放送機関や各新聞社も「よろん」を標準の読み方としています。

「せろん」も間違いではありません。多くの辞書にも、両方の読み方が併記されています。
ただし、ビジネスや公式な発表の場では「よろん」の方が好まれるため、シーンによっては注意が必要です。

読み方で迷ったときは「よろん」を選んでおけば安心です。
日本語のルールとして正しいだけでなく、聞く人にも自然に伝わるため、誤解が生まれにくいのもポイントです。

「世論」はもともと「輿論（よろん）」という漢字で表されていました。
「輿」は「大勢の人びと」という意味があり、「輿論」は「世の中の意見」という意味で使われていました。

明治時代に西洋から「public opinion（パブリックオピニオン）」という言葉が輸入され、日本語に翻訳される際、「輿論」とともに「世論」が使われ始めました。
「世論」のほうが読みやすく、印刷や文章にも使いやすかったため、徐々に定着していったと言われています。

新聞社や放送機関ごとに表記ルールが異なったことから、「せろん」と読む人もいれば「よろん」と読む人もいて、混乱が広がりました。
その後、NHKなどが「よろん」に統一したことで、少しずつ読み方が整理されていきました。

多くの国語辞典では、「世論（せろん／よろん）」のように、両方の読み方が併記されています。
つまり、「せろん」は誤読というわけではなく、正式な読み方のひとつとして認められているのです。

「せろん」には、どこか古風な印象や、耳慣れない響きがあるため、「知らないのかな？」と思われてしまう可能性もあります。
特に若い世代やメディアに慣れている人にとっては、「よろん」の方が一般的に聞こえることが多いです。

ビジネスの会議や公式発表の場で「せろん」と読むと、「あれ？」と思われてしまうこともあります。
そうした場では「よろん」を使った方が、誤解を生まずにスマートです。

文化庁の「国語に関する世論調査」では、「よろん」と読む人が多数派であるという結果が出ています。
特に年齢が上がるにつれて、「よろん」を使う傾向が強いようです。

世代によって読み方の感覚が異なることもあります。
また、地域や職種によっても使い分けが異なり、たとえばメディア業界では「よろん」、ネット文化では「せろん」が見られることもあります。

「輿論」は、より古い表現で、今ではほとんど使われませんが、歴史的な文献などにはたまに登場します。
意味としては「世論」と同じですが、漢字の意味がやや異なる点には注意が必要です。

厳密に言えば、現代の一般的な用語としては「世論」が主流です。
「輿論」はあくまで歴史的な背景を理解する際の補足として覚えておくとよいでしょう。

公式文書、報告書、プレゼンなど、きちんとした印象を与えたい場面では「よろん」を使いましょう。
読み手に誤解や違和感を与えるリスクを減らすことができます。

Twitter（X）やブログ、YouTubeのコメント欄などでは「せろん」も使われています。
日常会話の延長として自然に受け入れられている例も多いです。