日本の「オランダ」は“ホラント(Holland)”由来で定着。世界では「Netherlands(ネーデルラント)」が基本です。
先に結論をまとめると、ポイントは次の3つです。
- 日本語の「オランダ」は、昔の呼び名「ホラント(Holland)」が元になって広まり、言葉として定着した
- 世界では国名として「Netherlands(ネザーランズ)」が一般的
- “Holland”は国全体の正式な国名ではなく、主に地域名(州の名前)として使われる
この記事では、「なぜ日本だけオランダ?」の理由をやさしく説明しつつ、世界各国の呼び方の早見表や、Holland/Netherlandsの混同ポイントも整理します。
まず用語整理:Holland / Netherlands / Kingdom の違い
ここが混乱しやすいので、最初に簡単に整理しておきます。
| 呼び方 | 意味(ざっくり) | 初心者向けの覚え方 |
|---|---|---|
| The Netherlands / Netherlands | 国としての呼び名(英語で一般的) | 海外で一番通じやすい「国名」 |
| Nederland(オランダ語) | 自国語での国名 | 日本語の「ネーデルラント」に近い |
| Holland | 地域名として使われることが多い(州のイメージ) | 国全体の正式名ではないことが多い |
| Kingdom of the Netherlands | 王国としての正式な表記(公的文書) | 「正式名称寄り」だと思えばOK |
会話で迷ったら、日本語なら「オランダ」、英語なら「The Netherlands」と覚えておくと安心です。
オランダという呼び方は日本だけなのか?
結論から言うと、「オランダ」という音で国を呼ぶのは日本語がかなり特殊です。世界的には、英語のThe Netherlandsのように「ネーデルラント系」の呼び方が主流です。
ただし、完全に日本だけというよりは、歴史の影響で「ホラント(Holland)」に近い言い方が残っている例もあります。とはいえ、現代の国名としては「Netherlands」系が基本、と考えると分かりやすいです。
なぜ日本では「オランダ」と呼ぶようになったのか?
日本で「オランダ」という呼び名が広まった理由は、ひとことでいうと“最初に耳に入ってきた呼び名が、Holland(ホラント)系だったから”です。
ポイント1:入口になったのは「ホラント(Holland)」の呼び名
昔のヨーロッパでは、地域名が国全体の呼び名として使われることがありました。特にホラント地方は経済や文化の中心として知られ、対外的にも目立ちやすい存在でした。そのため、国全体をまとめて「ホラント」と呼ぶような感覚が生まれやすかった、と考えると自然です。
ポイント2:日本には“音”として定着しやすい形で伝わった
日本語の「オランダ」は、ポルトガル語の「Holanda(ホラント)」の発音や表記が入口になった、と説明されることが多いです。いったん「オランダ」という音で広がると、会話・記録・学びの場で同じ呼び方が繰り返され、言葉として固定化していきます。
ポイント3:江戸時代の交流で“日本語として固まった”
さらに江戸時代、出島を通じた交流や学問(いわゆる蘭学)などで、「オランダ」という呼び方が広く使われました。ここまで来ると、もう「通じる言葉」として完成しているので、後から正式名称が別にあっても、日常語は簡単に置き換わりません。
なぜ「ネーデルラント」という名称に置き換わらなかったのか
「正式にはネーデルラント(Netherlands)なら、日本でもそっちに変わらなかったの?」と思いますよね。ここには、言葉の性質が関係しています。
言葉は“定着すると強い”
国名のような基本語は、教科書・ニュース・辞書・会話など、生活のあらゆる場面で繰り返されます。その結果、社会全体にしみ込むので、後から呼び名を変えるのはとても大変です。
「ネーデルラント」の意味は「低地の国」
Netherlandsは「低い土地(低地)」のニュアンスを持つ名前で、地理的な特徴を表した呼び名です。意味としては分かりやすいのですが、日本語としては少し長く、日常会話に入りにくかった面もあります。
だからこそ、日本では「オランダ」が今でもふつうに使われている、と考えると納得しやすいです。
世界各国ではどう呼ぶ?主要言語の呼び方・早見表
ここからは、いろいろな言語での呼び方を見てみましょう。「Netherlands系」と「低地の国系」に分かれるのが特徴です。
【早見表】主要言語での呼び方
| 言語 | 呼び方 | 読み方の目安 | タイプ |
|---|---|---|---|
| 英語 | The Netherlands | ザ・ネザーランズ | Netherlands系 |
| オランダ語 | Nederland | ネーデルラント | Netherlands系 |
| ドイツ語 | Die Niederlande | ディー・ニーダーランデ | Netherlands系 |
| フランス語 | Pays-Bas | ペイ・バ | 低地の国系 |
| スペイン語 | Países Bajos | パイセス・バホス | 低地の国系 |
| イタリア語 | Paesi Bassi | パエージ・バッシ | 低地の国系 |
こうして見ると、「ネザーランズ」そのものだけでなく、「低地の国」という意味の表現が多いのが分かります。国名って、意外と“地理の説明”からできているんですね。
形容詞の「Dutch(ダッチ)」はどこから?
英語で「オランダの」という意味のDutchは、Netherlandsという単語と見た目が違うので混乱しがちです。これは歴史的な言葉の変化によるもので、英語の中で意味が絞られていった結果、オランダを指す言葉として残った、という説明がされます。いまは「オランダの=Dutch」と覚えてしまうのが一番簡単です。
なぜ「Holland」は正式な国名ではないのか?
日本語でも「ホーランド」と聞くことがありますが、ここで大事なのは、Hollandは“国名”というより“地域名”として扱われることが多いという点です。
Hollandは地域名(州の名前)としての意味合いが強い
現在のオランダ(The Netherlands)には複数の州があり、その中に「北ホラント」「南ホラント」といった名前があります。つまり、Hollandは国の一部を指す言葉として説明されることが多いのです。
国全体をHollandと呼ぶと“ざっくりしすぎ”に聞こえることも
日本でも「関東=日本」みたいな言い方をされると、関西や東北の人は少しモヤッとするかもしれません。イメージとしては、それに近いです。もちろん通じる場面もありますが、丁寧に言うなら「The Netherlands」のほうが安心です。
最近の動き:「Holland」ではなく「The Netherlands」に統一する流れ
近年、オランダ政府は対外的な呼び方を「Holland」ではなく「The Netherlands」に寄せる動きを進めてきました。理由としては、国名の混同を減らしたいことや、国全体としてのイメージを整えたいことが挙げられています。
とはいえ、日本語の「オランダ」については、すでに言葉として定着しているため、日常語がすぐ変わるかというと、現実的には難しいでしょう。
日本で今後「ネーデルラント」と呼ばれる可能性はある?
結論としては、日常会話は「オランダ」が続く可能性が高いです。短くて分かりやすく、すでに深く定着しているからです。
一方で、レポートや説明文など、少し丁寧に書きたい場面では、次のように併記すると親切です。
- オランダ(The Netherlands)
- オランダ(ネーデルラント)
こうしておくと、初心者の読者にも「世界ではこう呼ぶんだな」と伝わりやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q. 「オランダ」って言い方は失礼ですか?
A. 基本的に失礼ではありません。日本語として定着している一般的な呼び名です。相手が海外の方で英語で話す場面なら「The Netherlands」を使うと、より丁寧で安心です。
Q. Hollandと言っても通じますか?
A. 通じることは多いですが、国全体の正式名ではないため、きちんと言うなら「The Netherlands」がおすすめです。観光やスポーツの文脈ではHollandが残っていることもあります。
Q. 「ネーデルラント王国」って何ですか?
A. 公的な文書で出てくる「王国」としての正式表記です。日常会話ではそこまで意識しなくても大丈夫ですが、「正式名称寄りの表現」として知っておくと安心です。
Q. NetherlandsとDutchの関係がよく分かりません
A. ざっくり言うと、Netherlandsは国名、Dutchは「オランダの」という形容詞です。言葉の成り立ちは少し複雑ですが、使い方はシンプルに覚えるのが一番です。
まとめ:なぜ日本だけ「オランダ」?答えは“歴史と言葉の定着”にあります
- 日本語の「オランダ」は、Holland(ホラント)由来の呼び名が先に広まり、定着したもの
- 世界では「The Netherlands(ネザーランズ)」が国名として一般的
- Hollandは国名というより地域名として説明されることが多い
迷ったら、使い分けはこれでOKです。
- 日本語の会話:オランダ
- 英語で話す:The Netherlands
- 文章で丁寧に:オランダ(The Netherlands)と併記
呼び名の違いを知っておくと、ニュースや旅行情報もスッと頭に入りやすくなります。ぜひ、あなたの場面に合わせて使い分けてみてくださいね。

