家庭にあるキッチンペーパーを使えば、出汁を透き通らせたり、果汁をなめらかにしたり、ヨーグルトの水分を抜いたりと、料理の仕上がりがぐんとよくなるんです。
この記事では、「キッチンペーパーでどうやって漉せばいいの?」「破れないの?」「どんな料理に使えるの?」という疑問にお答えしながら、初心者の方でも安心して試せる方法をご紹介していきます。
どんなキッチンペーパーが漉し向き?選び方の基本
素材と厚さがカギ!“破れにくい紙”を選ぼう
漉すときに使うキッチンペーパーは、できるだけ厚みがあり、破れにくいものがおすすめです。紙が薄いと、液体を注いだときに破れてしまったり、目詰まりしてしまったりすることがあるんです。
食品用と日用品用の違いに注意
中には「漂白剤」が使われているペーパーや、香り付きのものもあります。料理に使うときは、食品用・無漂白と書かれているキッチンペーパーを選ぶようにしましょう。安心して使えますよ。
キッチンペーパーで漉せるもの・漉けないもの
漉せるものの例
- 出汁(昆布・かつお節など)
- スープやソース
- 果汁・ジュース
- 豆乳・おから
- ヨーグルトの水切り
- 揚げ油のろ過
漉しにくい・不向きなもの
- とろみが強すぎる液体(片栗粉入りのあん等)
- 粗くて繊維質が多すぎる素材
- アツアツの液体(熱で破れやすくなる)
このように、すべての食材が向いているわけではありませんが、意外と幅広い使い方ができるのが魅力です。
コーヒーフィルターとの違いとは?
「コーヒーフィルターでも代用できるのでは?」と思う方もいるかもしれません。実際、代用は可能ですが、次のような違いがあります。
- コーヒーフィルター:目が細かく、時間がかかる。耐久性はやや高め。
- キッチンペーパー:通液性がよく、広く使えるが、やや破れやすい。
素材や用途によって使い分けるのがコツです。たとえば、出汁など大量に漉すときはキッチンペーパー、少量をじっくり漉したいときはコーヒーフィルター、というように使い分けるのもおすすめです。
キッチンペーパーで漉すやり方|基本の5ステップ
STEP1:ざるやボウルにキッチンペーパーを敷く
まずは、ボウルの上にざるをのせ、その中にキッチンペーパーを敷きます。ざるがない場合は、ボウルにペーパーをそのまま敷いてもOKですが、落ちないようにペーパーの端を外側にかけておくと安定します。
STEP2:ペーパーは一重?二重?
基本的には一重で問題ありません。ただし、粒が細かいものや粘度が高めのものを漉すときには二重にすると、濾過力がアップします。逆に詰まりやすくなることもあるので様子を見ながら調整しましょう。
STEP3:少しずつ液体を注ぐ
一気に注ぐとペーパーが破れてしまうことも。少量ずつ、ゆっくり注ぐようにすると安心です。何回かに分けて注ぐのが成功のポイントです。
STEP4:詰まったときの対処法
液体が進まなくなったら、軽くスプーンの背で押したり、ヘラでなでるように動かすと通りやすくなります。ただし、無理に押しすぎると破れることがあるので注意してくださいね。
STEP5:使用後のペーパーの捨て方
濾したあとのペーパーは燃えるゴミ</strongとして処分しましょう。油分がついたものは新聞紙などに包んで捨てると液漏れ防止になります。
よくあるトラブルと解決法
ペーパーが破れてしまったとき
注ぎ方が早すぎたり、熱すぎる液体を入れてしまうと破れやすくなります。落ち着いて液体の残りを回収し、ざる+新しいペーパーで再チャレンジしましょう。
ペーパーが沈んで中に落ちてしまった
ボウルにそのまま敷くと、ペーパーが液体と一緒に沈みやすくなります。そんなときは、ざるや茶こしなどで支えを作ると安定します。
濾したあとの液体が濁る
濁る原因は「かき混ぜすぎ」や「押しすぎ」です。自然に落ちるのを待つのが一番きれいに仕上がります。
料理別!キッチンペーパーの漉し活用アイデア
出汁(だし)を漉す
昆布やかつお節を煮出したあとの出汁を、キッチンペーパーで漉せば、にごりの少ない透明感のあるだし汁に仕上がります。
スープ・ソースをなめらかに
煮込んだスープやソースを漉せば、口当たりがなめらかになります。ポタージュやシチューの仕上げに使うのもおすすめです。
ジュース・果汁
すりおろしたりんごやにんじんなどの果汁をしぼるときに活躍します。舌ざわりのよいジュースに仕上げたいときにぴったり。
豆乳・おから
大豆を煮てミキサーにかけたあと、キッチンペーパーで漉すと、自家製豆乳とおからが作れます。豆腐作りにも応用できますよ。
ヨーグルトの水切り
市販のヨーグルトをペーパーで水切りすると、もったりとしたギリシャ風ヨーグルトになります。デザートやディップにおすすめ。
揚げ油の再利用にも
冷ました揚げ油をペーパーで漉せば、カスを取り除いて再利用できます。こまめに処理すれば油も長持ち。
おすすめのキッチンペーパー3選
①リード クッキングペーパー
吸収性・耐久性に優れた、定番の食品用キッチンペーパー。料理初心者でも使いやすく、安心して漉しに使えます。
②スコッティファイン 洗って使えるペーパータオル
破れにくく、布のような感覚で使える人気商品。水を含んでも丈夫なので、漉す作業でも安定感があります。
③コストコ カークランド キッチンタオル
ボリューム重視の方におすすめ。厚みがあり、1枚で広範囲の作業にも対応できます。コスパも抜群です。
代用できるものはある?キッチンペーパー以外の選択肢
どうしてもキッチンペーパーが手元にないときは、次のようなものでも代用可能です。
- コーヒーフィルター(目が細かい)
- 不織布マスク(使い捨てではなく食品用)
- さらし・ガーゼ(布製だが繰り返し使える)
ただし、においや色移りがないかは注意して使用してくださいね。
漉したあとの保存方法と日持ちの目安
漉した出汁やジュースなどは、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。保存の目安は以下の通りです。
- 出汁:冷蔵で2〜3日
- ジュース:冷蔵で1日程度
- 水切りヨーグルト:冷蔵で2〜3日
容器は事前に煮沸消毒しておくと、より安心です。
まとめ|キッチンペーパー1枚で料理が変わる!
キッチンペーパーを使った漉し作業は、特別な技術がなくても、ちょっとしたコツさえつかめば料理の仕上がりがワンランクアップします。
「プロっぽい見た目にしたい」「なめらかな口当たりにしたい」というときは、ぜひこの方法を試してみてください。最初は緊張するかもしれませんが、慣れてくると“なくてはならないひと手間”になりますよ。

