リーバイスジーンズの製造年代を特定するテクニックは、内部タグの読み方でわかりますが、タグが欠けている場合や特定のモデルの識別、ヨーロッパ市場向けリーバイスの年代判定にも対応する方法を紹介します。
リーバイスジーンズの年代特定に関する識別方法は以下の通りです。
- 内部タグを利用した年代特定方法
- タグが欠けているジーンズの年代の判別方法
- 501モデルの識別とその年代判定
- ヨーロッパ市場向けリーバイスの特定技術
リーバイスには多様な識別技術が存在し、その選択に迷うこともあります。本記事では、内部タグ、501モデル、ヨーロッパ向けリーバイスの特定方法や、それぞれの特徴を深掘りしています。
本記事で解説する主要なポイントは以下の通りです。
- 内部タグの下部に記載されている製造年月を数字で確認する方法
- タグが失われたジーンズの年代をボタンの刻印等から推定する方法
- 501モデルはそのバリエーション「501XX」などによって年代が分かる
- ヨーロッパ版リーバイスは主に1980年代から2000年代に製造された
本文中で１つ１つ詳しく紹介します。
リーバイスの製造年代の特定：内部タグの読み方
リーバイスのジーンズの製造年を知る方法の一つとして、ジーンズ内側にある内部タグの数字を読み解く技術があります。
このタグには通常、「製造工場のコード」「製造された月」「製造年」が記されており、これらの情報から製造年代を推測することができます。
内部タグの読み方：
- フロントボタン裏の刻印を調べる
- その刻印に一致する数字が内部タグにも記されているか確認
- 月と年が記載されている順番が逆の場合もあるので注意
フロントボタン裏の刻印の役割
フロントボタンの裏面には通常、製造された工場を示す一文字のアルファベットまたは数字の刻印があります。この刻印は、製造国や時代によって異なるため、初めに確認することが重要です。
例えば、3桁の数字が確認できる場合があります。
このフロントボタンの裏の刻印を先にチェックしておくと、内部タグの数字を解析する際に非常に役立ちますので、確認をおすすめします。
内部タグの数字を照合する
内部タグを調べると、下部に「359」のような3桁の数字が見えることがあります。隣には「09」「05」といった2桁の数字が記載されていることもあり、これは「月」と「年」を表しています。例えば、「2005年9月、工場番号359」と読み解くことができます。
このように内部タグの数字を順番に追っていくことで、リーバイスジーンズの製造年代を特定することができます。次に、これらの情報を用いてジーンズの年代を判断する詳細な方法を解説します。
タグが欠けているリーバイスの年代判定方法
リーバイスジーンズの年代を特定する際、内部タグが欠けている場合、他の要素で年代を判別する方法が有効です。ボタンの裏の刻印やデザインの違いを利用して、製造された時期を推測することができます。
【年代判定の主な手法】
- ボタンの裏にある刻印
- ジッパータイプの違い
- 隠しリベットの有無
- V字ステッチの特徴
これらの特徴を詳しく解説し、初心者でも理解しやすい方法を提供します。
ボタン裏の刻印を用いた製造年代の特定
ボタンの裏に見られる数字やアルファベットの刻印は、製造工場や時期の重要な手がかりです。このセクションでは、以前に触れた内部タグの情報と連動して、これらの刻印について詳細に説明します。
1950年代から1970年代の刻印の特徴
この時期のボタン裏の刻印は、アルファベット1文字と1桁の数字で構成されることが一般的です。使用されるアルファベットと数字は以下の通りです：
- アルファベット：A, D, E, F, J, K, L, O, S, W
- 数字：2, 4, 5, 6, 8, 16（ただし16は2桁の例外）
これらの時代のボタンは珍しく、コレクターの間で高い価値があります。
1960年代から1980年代の特徴的な刻印
特に「16」という番号は、1950年代から1970年代にかけて活動していた工場のものとされています。この時代からのボタンには3桁の数字が使用され、例えば以下のような数字があります。
- 数字：501, 513, 515, 522, 524…
2003年にアメリカの自社工場が閉鎖された後、5から始まる番号はアメリカ製、6から始まる番号は海外製とされています。
現行モデルの刻印の特徴
現在製造されているリーバイスのジーンズでは、4桁の数字の刻印が一般的です。アメリカ製の現行モデルには「5115」「5224」などの番号が見られます。
復刻版リーバイスの刻印の特徴
復刻版リーバイスは、アルファベットと数字の組み合わせが特徴的で、日本で企画されたモデルでは「J」で始まる刻印が使用されています。
これらの刻印から、リーバイスジーンズがヴィンテージかどうかを識別することができます。
ジッパーから見るリーバイスジーンズの製造年代
リーバイスジーンズの年代を特定する重要な手がかりの一つがジッパーのタイプです。
1960年代のリーバイスでは、一般的に「GRIPPER」や「CONMAR」ブランドのジッパーが使われていました。1970年代に入ると、「TALON」や「SCOVILL」ブランドのジッパーに変わり、1980年代以降はLevi’sのロゴが入った「YKK」ジッパーが使用されるようになりました。
これらのジッパーの変遷を追うことで、製造された時期を特定することが可能です。
隠しリベットの使用年代
1937年から1966年まで、リーバイスはジーンズの内側ポケットに隠しリベットを採用していました。この隠しリベットは、他のブランドとの差別化と、消費者の要望に応えるためのデザイン改良でした。
リベットはポケットの縁に隠れる形で取り付けられ、外からは見えません。1966年以降、これらのリベットは耐久性を高めるバータックステッチに置き換えられました。
特にヴィンテージモデルである501XXなどでは、隠しリベットの有無が年代判断の重要な手がかりとなります。
V字ステッチの歴史的重要性
過去、返し縫いが一般的ではなかった時代にVステッチが採用されていました。
Vステッチはボタンの裏側で確認可能で、フロントボタンの横にV字型のステッチが施されていたのが特徴です。このデザインは1960年代までのリーバイスジーンズに見られるため、ヴィンテージピースの確認に役立ちます。
これらのディテールを検証することで、ジーンズがどの時代に製造されたものかを見極めることができます。
リーバイス501モデルの年代判定ガイド
リーバイス501モデルはジーンズの原点として広く認識されており、その独特の特性から製造された時期を特定することができます。
1870年代：501モデルの登場
501モデルはもともと鉱夫向けにデザインされ、当初からボタンフライを特徴としていました。この設計は、洗濯による生デニムの収縮に対応するため選ばれ、時間が経つにつれて独特の色落ちが生じます。
形状はストレートで、古典的なスタイルが今でも多くのファンに支持されています。
1940年代〜1967年：501XXモデルの時代
501XXモデルは、1940年代から1967年にかけて製造され、ヴィンテージ愛好家に特に人気があります。このモデルは隠しリベットが特徴で、これが年代を特定する重要な手がかりとなります。
1954年：501ZXXモデルの誕生
1950年代のアメリカのブーム期に、501モデルはさらに多く生産されるようになりました。
新たにジッパーを採用した「501ZXX」モデルが導入され、使いやすさが向上しました。しかし、生デニムの収縮によるジッパーへの負担が大きく、後にさらに改良された「502」モデルへと発展しました。
501ZXXモデルは短期間で生産が終了しましたが、その希少性からコレクターには高く評価されています。
ヨーロッパ製リーバイスジーンズの概要
ヨーロッパで製造されたリーバイスのユーロ版は、1980年代から2000年代にかけての期間に生産されました。このバージョンは501モデルと似たシンプルでクラシックなストレートデザインを持ち、特に若者たちに人気を博しています。
アメリカ製の製品と比べて価格が手頃であるため、より多くの人々に受け入れられています。ユーロ版の特徴として、独特の色落ちやデニムの質感、そして洗練された「ヒゲ」ディテールが挙げられます。
ユーロ版リーバイスの年代特定法
ヨーロッパ版リーバイスの年代は、内部タグやボタンの裏に刻印されたマーキングを通じて特定可能です。
1980年代から2000年代に製造されたものは特に、内部タグに4桁の年数が記載されており、これによって製造年を確認できます。
リーバイスジーンズの年代特定ガイドまとめ
リーバイスジーンズの年代を特定する際には、内部タグ、ボタンの裏の刻印、ジッパーや隠しリベット、V字ステッチなどのディテールを検討することが必要です。
501モデルはその多様なバリエーションを通じて、ヴィンテージリーバイスの魅力を最大限に引き出すための知識が必要になります。また、ユーロ版リーバイスもそのシンプルながら独自のデザインが若者からの支持を集める要因となっています。
これらの情報を駆使して、自分にぴったりのリーバイスを見つけ出してみてくださいね。
