ビジネス文書を書いていると、「趣旨」と「主旨」のどちらを使えばいいのか迷うことがありますよね。
とくにメールや会議の案内、議事録のように“きちんとした文章”ほど、言葉の選び方が気になりやすいものです。
この記事では、「趣旨」と「主旨」の違いをやさしく整理しつつ、メール・会議・議事録ですぐ使える例文もたっぷり紹介します。
【結論】迷ったらこう使う:趣旨=目的・ねらい/主旨=要点・中心内容
まず覚えておくと安心なのは、このシンプルな使い分けです。
- 趣旨:何のために?(目的・理由・ねらい)
- 主旨:何を言いたい?(中心内容・要点・骨子)
さらに、3秒で判断できるコツがあります。
3秒で判断できるチェック(目的を言う→趣旨、要点を言う→主旨)
- 「この会議は何のため?」→ 趣旨
- 「この文章の言いたいことは何?」→ 主旨
「目的」と「要点」で迷う場面は、言い換えで安全にまとめるのもおすすめです。
どっちでも迷う時の“逃げ道”言い換え(目的・要点・概要)
- 趣旨の代わり:目的/ねらい/背景
- 主旨の代わり:要点/骨子/結論
- どちらにも使える:概要(ただし少しぼんやりする)
【比較表】「趣旨」と「主旨」の違いが一目でわかる早見表
| 項目 | 趣旨 | 主旨 |
|---|---|---|
| 意味 | 目的・理由・ねらい | 中心内容・要点・言いたいこと |
| イメージ | 「なぜやるのか」 | 「何を伝えるのか」 |
| 向く場面 | 会議の案内、依頼メール、制度の説明、注意喚起 | 議事録、要約、報告書、説明資料の要点 |
| よくある言い回し | 趣旨に賛同する/趣旨に沿う/趣旨をご理解ください | 主旨を踏まえる/主旨は〜です/主旨を要約する |
| よくあるミス | 文章の要点の話なのに「趣旨」を使う | 会議の目的の話なのに「主旨」を使う |
「趣旨」と「主旨」の意味をやさしく解説(混同しやすい理由も)
「趣旨」=目的・理由・ねらい(背景を含むことがある)
「趣旨」は、行動や文章の“目的”を表す言葉です。
「なぜそれを行うのか」「どんなねらいがあるのか」という説明にぴったりです。
たとえば、会議を開くなら「何のための会議なのか」。
制度やルールを伝えるなら「なぜその制度が必要なのか」。こうした部分が「趣旨」です。
「主旨」=中心となる考え・要点(骨子、言いたいこと)
「主旨」は、文章や話の“中心内容”を表します。
「結局なにが言いたいの?」「ポイントはどこ?」をまとめるときに使います。
議事録や報告書で「主旨」を書くと、読む人が要点をつかみやすくなるので、とても相性がいい言葉です。
混同が起きるのは“どちらも重要ポイント”に見えるから
趣旨も主旨も「大事なこと」を表すため、見た目が似ていて混ざりやすいんですね。
だからこそ、ビジネスでは「目的なら趣旨/要点なら主旨」と機械的に分けるのがいちばん安全です。
【メール例文】趣旨を使う場面(依頼・案内・周知)
メールで「趣旨」を使うのは、目的を伝えたいときです。
とくに案内や依頼の冒頭で使うと、相手が内容を理解しやすくなります。
会議招集メール:趣旨(目的)を冒頭で伝える例文
例文
お世話になっております。
来週の定例会議についてご案内いたします。
本会議の趣旨は、進捗の共有と課題の早期解決に向けた対応方針の確認です。
以下の通り開催いたしますので、ご参加をお願いいたします。
依頼メール:「本メールの趣旨は〜」の例文
例文
お世話になっております。
本メールの趣旨は、資料作成にあたり必要な情報をご共有いただくお願いです。
お手数ですが、下記項目についてご教示いただけますでしょうか。
定型表現:「趣旨に賛同する/趣旨をご理解ください」
よく使われる定型表現も、セットで覚えると便利です。
- 本取り組みの趣旨に賛同いただける方はご協力をお願いいたします。
- 本施策の趣旨をご理解のうえ、ご対応いただけますと幸いです。
- 本件は趣旨に沿って運用をお願いいたします。
【会議例文】趣旨と主旨の使い分け(アジェンダ・説明)
会議は「目的(趣旨)」と「話す要点(主旨)」が混ざりやすい場面です。
ここを分けて書けると、会議の案内や資料が一気に分かりやすくなります。
会議の趣旨(なぜ開くか)を伝える例文
例文
- 本会議の趣旨は、新プロジェクトの立ち上げに向けた課題整理です。
- 本ミーティングの趣旨は、お客様対応フローの改善点を洗い出すことです。
会議で共有する主旨(何を決めたいか・要点)例文
例文
- 本日の主旨は、来月リリースまでのタスクと担当を確定することです。
- 議題の主旨は、コスト見直し案の方向性を決めることです。
ポイントは、趣旨が「会議を開く理由」、主旨が「この場で押さえる要点・中心テーマ」になっているかです。
「趣旨説明」「主旨説明」どっち?会議での使い分け
- 趣旨説明:会議を開く目的、背景、ねらいを説明
- 主旨説明:議題の中心内容、論点、要点を説明
会議冒頭で「まずは趣旨説明をします」と言えば、「なぜこの会議をするか」を話す流れになります。
「本日の議題の主旨を説明します」なら、「何が論点か」を整理する場面に合います。
【議事録例文】主旨を使う場面(要点の要約・決定事項)
議事録は「主旨」が活躍する代表例です。
議事録では、背景や目的(趣旨)も大事ですが、まず知りたいのは「結局どうなったか」という要点です。
議事録の冒頭で主旨(要点)を書く例文
例文
主旨:プロジェクトの遅延要因を整理し、対応策と担当を決定する。
決定事項:対応策Aを優先し、担当は○○が実行する。
次回までの宿題:各担当が必要工数を見積もり、次回会議で共有する。
「主旨は以下の通りです」の使い方
例文
本議事録の主旨は以下の通りです。
1)進捗共有
2)課題の確認
3)対応方針の決定
趣旨(目的)はどこに書く?議事録の型
議事録に趣旨を書くなら、冒頭の「開催目的」欄として分けるとキレイです。
- 開催目的(趣旨):会議を開いた目的
- 議題/論点(主旨):今回の中心テーマ
- 決定事項:結論
- ToDo:次回までのアクション
【NG→OK】間違いやすい使い方をその場で直せるチェック集
ここでは、よくある混同パターンを「NG→OK」でまとめます。
文章を見直すとき、このままチェックリストとして使えます。
NG:「会議の主旨は〜(目的の話)」→OK:「会議の趣旨は〜」
- NG:会議の主旨は、部門間の情報共有です。
- OK:会議の趣旨は、部門間の情報共有です。
NG:「文章の趣旨を要約」→OK:「文章の主旨/要旨を要約」
- NG:この文章の趣旨を要約すると〜
- OK:この文章の主旨を要約すると〜
- OK:この文章の要旨を要約すると〜
「要約」は要点を短くする行為なので、主旨・要旨と相性が良いです。
「趣旨」「主旨」を言い換えるなら何が無難?
どうしても迷うときは、次の言い換えが便利です。
- 趣旨の代わり:目的/ねらい/背景
- 主旨の代わり:要点/ポイント/骨子/結論
類語との違いも確認(要旨・旨・概要・要点)
「趣旨」「主旨」は「要旨」「旨(むね)」とも混ざりやすいです。
ここで一度整理しておくと、迷いが減ります。
「要旨」=要点を短くまとめたもの(主旨寄り)
「要旨」は、文章や話のポイントを短くまとめたものです。
「要約」「要点整理」と相性が良く、ビジネスでは報告書や議事録にもよく出ます。
- 例:企画書の要旨をまとめる
- 例:報告の要旨は以下の通り
「旨(むね)」=要点・趣旨寄りで幅広い
「旨(むね)」は「内容のポイント」「言いたいこと」を表すことが多いです。
ただし場面によっては「趣旨」に近い意味で使われることもあり、少し幅があります。
- 例:その旨、承知しました(=その内容、了解しました)
- 例:上記の旨をご確認ください(=上記の内容をご確認ください)
「概要」「骨子」「要点」との使い分け(実務で便利)
- 概要:ざっくり全体像(細部は省略)
- 骨子:中心となる組み立て・大枠(資料向き)
- 要点:ポイントだけ(会話でも文書でも万能)
「趣旨/主旨」に自信がないときは、まず「目的」「要点」と書いてしまうのも、実務では十分に通じます。
まとめ|目的=趣旨、要点=主旨。迷ったら言い換えで安全に
最後に、今日のポイントを短くまとめます。
- 趣旨:目的・ねらい(なぜやるのか)
- 主旨:中心内容・要点(何を言いたいのか)
- 迷ったら「目的」「要点」「概要」などに言い換えると安全
ビジネス文書は、正しさだけでなく「伝わりやすさ」も大切です。
この使い分けさえ押さえておけば、メールでも会議でも議事録でも、言葉選びで困りにくくなりますよ。
