冬眠動物は体温調節が苦手な種が多いという点が共通しています。
ペットとしての飼育が流行している昨今、冬眠に関して困惑している飼い主も少なくありません。
本記事では、冬眠についての基本的な知識、動物の特徴、適切な時期について解説します。
冬眠はまだ解明されていない神秘的な現象ですが、ここでその概要と具体的な例を紹介し、疑問を明らかにしていきます。
冬眠に入る特選15種の動物
多種多様な動物たちが冬眠に入る中で、予想外の動物もいます。
クマ
冬眠で知られる代表的な動物としてクマがいます。
クマは冬期間中、約4～5ヶ月をずっと眠り続け、そのために秋には食糧をたくさん蓄え、冬の準備をします。
ハムスター
一般的なペットであるハムスターも自然界では冬眠する動物です。
ただし、ペットのハムスターを冬眠させることはおすすめできません。理由は後に記載しています。
コウモリ
コウモリも冬眠する一群です。
寒い季節には食料が不足するため、コウモリは家の屋根裏など目立たない場所で冬を過ごし、春が来ると活動を再開します。
シマリス
シマリスは約200日間という長い冬眠期間を持ちます。
食料を冬眠前に貯蓄し、目覚めるたびに食事を取ることが特徴です。
ヘビ
ヘビは気温が約5度前後になると、約3ヶ月間の冬眠期間に入る変温動物です。
カエル
カエルは冬季に土や泥に潜って冬眠します。 寒い季節を地中で静かに過ごすことで生き延びます。
カメ
カメは土の中や水底で冬を過ごし、春が来ると姿を現します。 一部のカメは冬眠する一方で、冬眠しない種もいます。
ハリネズミ
ハリネズミは10月から翌年の4月までの間、冬眠に入ります。
ヤマネ
ヤマネはネズミ科に属し、冬季には10月から3月まで冬眠します。 この期間、彼らは体温を極めて低く保ちつつエネルギー消費を最小限に抑えます。
マルハナバチ
マルハナバチの冬眠は女王蜂のみが行い、他の個体は冬を生き延びません。
プアーウィルヨタカ
プアーウィルヨタカは冬眠する唯一の鳥種で、アメリカ大陸に生息しています。 彼らは岩陰で冬眠し、その期間、体温や心拍数を大きく下げて過ごします。
フトオコビトキツネザル
フトオコビトキツネザルは、マダガスカルの乾季に熱帯乾燥林で冬眠します。 他のサルでは珍しい冬眠行動を見せるこの種は注目されています。
ドジョウ
ドジョウは水温が10度以下になると土中に潜り、冬眠に入ります。
テントウムシ
テントウムシは寒さを避けるために仲間と集まって冬眠します。
オオクワガタ
オオクワガタは気温の低下と共に冬眠を開始します。 一般的なカブトムシとは異なり、冬眠をすることで知られています。
なぜ動物は冬眠するのか？
人間は年中無休で食料を確保することが可能ですが、多くの動物にとって、冬の生存は厳しい試練です。
冬季には植物が枯れ果て、昆虫などの食料源が激減します。
この食料不足の環境を乗り切るため、動物たちは夏に栄養を蓄え、寒冷な気候に適応する方法を身につけます。
冬眠動物と非冬眠動物の主な違い
冬眠する動物としない動物の根本的な違いは「体温調整能力」にあります。
動物は大きく恒温動物と変温動物に分けられます。
恒温動物は外気温に左右されずに体温を一定に保つ能力がありますが、変温動物は外気温に応じて体温が変わります。
冷え込む季節には、変温動物は体温の調節が困難になり、自力でエネルギーを生み出すことが難しくなるため、冬眠によってエネルギー消費を抑え生存を図ります。
一方で、恒温動物でも冬を特別な方法で乗り切る種がいます。
小型の恒温動物であるリスは体温が逃げやすいため、食物を巣に貯蔵し、食べながら休むことで寒さをしのぎます。
大型の恒温動物であるクマは、冬期間に餌が不足するため、動けなくなるのを避けるために冬眠を選択します。
冬眠の開始時期と期間
動物たちが冬眠を準備し始める時期は、通常10月下旬からで、気温が低下するとともに冬眠準備が始まります。
冬眠は大体12月から4月まで続くことが多いですが、動物の種類や地域の気候によって、その時期や期間には多少のばらつきがあります。
冬眠時の動物の過ごし方
冬眠中、動物は生命活動を最低限に抑え、エネルギー消費を極力減らすために体温、心拍、呼吸を大幅に低下させます。
例えば、クマは冬眠中、食事や排泄活動を行わず、ほぼ連続して眠り続ける一方で、小さなシマリスのような動物は時折目覚めて食事をすることもあります。
このように、冬眠する動物によってその過ごし方には様々な適応が見られますが、共通しているのはエネルギーの節約を優先している点です。
ペットの冬眠は避けるべき理由
ペットの冬眠は推奨されない理由が二つあります。
健康への負担
冬眠は動物の体力を大幅に消耗し、これがペットにとって大きなストレスとなり、寿命を縮める可能性があります。
栄養不足と餓死の危険
ペットを冬眠させる際には、十分なエネルギーの蓄積が必要ですが、適切な準備が飼い主にとって難しい場合が多く、エネルギー不足により餓死するリスクが増加します。
野生の動物と異なり、ペットは冬眠に必要な条件を整えるのが難しいため、冬眠させるのは危険です。
冬眠する生き物まとめ
クマや他の多くの動物、昆虫が冬眠を行うことは一般的です。冬眠の主要な目的は体温の調節にありますが、方法や期間は動物種によって異なります。
冬眠についてはまだ多くが未解明であり、将来的に新しい知見が得られる可能性があります。
