日本には47の都道府県がありますが、その名前を眺めていると、「東西南北の漢字が入っている都道府県って、いくつあるんだろう?」と気になることはありませんか?
「東京都には『東』がある」「北海道には『北』がある」とすぐ思いつく方もいるでしょう。
では、「西」がつく県や「南」がつく県はあるのでしょうか。
結論からいうと、現在の47都道府県の中で、東・西・南・北のいずれかの漢字が名前に入っているのは「東京都」と「北海道」の2つだけです。
意外にも、「西」と「南」がつく都道府県はありません。
この記事では、東西南北がつく都道府県を一覧で紹介するとともに、東京都と北海道の名前の由来、昔の日本で使われていた東西南北の地名についても、わかりやすく解説します。
東西南北がつく都道府県は何個?
まずは答えから確認してみましょう。
47都道府県の名前の中で、「東」「西」「南」「北」という漢字が使われているのは、東京都と北海道の2つです。
結論は「東京都」と「北海道」の2つ
方角別に分けると、次のようになります。
| 方角 | 該当する都道府県 | 数 |
|---|---|---|
| 東 | 東京都 | 1 |
| 西 | なし | 0 |
| 南 | なし | 0 |
| 北 | 北海道 | 1 |
つまり、東西南北を合わせても全部で2つです。
「東は東京、北は北海道」と覚えておけば、とても簡単ですね。
「西」「南」がつく都道府県は現在は存在しない
ここで少し不思議なのが、「東」と「北」はあるのに、「西」と「南」がないことです。
「西日本」という言葉があるので、「西」がつく県がありそうな気もしますし、「南日本」と呼ばれる地域もあります。
しかし、現在の47都道府県名だけを見ると、「西」や「南」という漢字を含む名前はありません。
東西南北がバランスよく1つずつ存在しているわけではないのです。
東西南北がつく都道府県を一覧で確認
改めて、該当する2つの都道府県を見てみましょう。
| 都道府県 | 含まれる方角 | ポイント |
|---|---|---|
| 東京都 | 東 | 江戸から東京へ改称された |
| 北海道 | 北 | 蝦夷地から北海道へ名称が変わった |
どちらも昔から現在の名前だったわけではない、という点が興味深いところです。
東京都はかつて「江戸」、北海道は「蝦夷地」と呼ばれていました。
東京都の「東」はどこから来た?
東京都の「東」は、単純に「日本の東にあるから付けられた」というだけではありません。
東京という名前には、都の移り変わりが深く関係しています。
江戸から「東京」に名前が変わった
現在の東京は、江戸時代には「江戸」と呼ばれていました。
1868年、江戸は「東京」と改称されました。東京都公文書館によると、慶応4年(1868年)7月17日の詔書で、「江戸ヲ称シテ東京トセン」とされ、江戸が東京と呼ばれるようになりました。
その後、天皇が東京へ移り、東京は政治の中心地として発展していきます。
つまり、「東京都」という名前の歴史をたどると、もともとは「江戸」というまったく別の名称だったことがわかります。
「東京」は「東の京」という意味?
「東京」という言葉は、その漢字のとおり、「東の方にある都」という意味を持っています。
東京都公文書館では、「東京」という語そのものが日本で地名になる以前から、「東方の都」という意味で使われていたことが紹介されています。
東京都の子ども向け広報でも、長く都が置かれていた京都に対して、東京は「東の京」として名付けられたと説明されています。
「京」には「みやこ」という意味があります。
そのため、「東京=東にある京(みやこ)」と考えると、とても覚えやすいですね。
なぜ「東」という方角が使われたのか
長い間、日本の都は京都に置かれていました。
そこから見て東側に位置する江戸が新たな政治の中心となったため、「東京」という名前が使われるようになったと考えるとわかりやすいでしょう。
ちなみに、東京が地名として使われ始めた明治初期には、「とうきょう」だけでなく「とうけい」という読み方も存在していたとされています。
現在では当たり前の「とうきょう」という読み方にも、このような歴史があるのです。
北海道の「北」はどこから来た?
続いて、「北」が入っている北海道について見てみましょう。
北海道も東京と同じように、現在とは違う名前で呼ばれていた時代があります。
北海道はもともと「蝦夷地」と呼ばれていた
現在の北海道は、江戸時代には一般に「蝦夷地(えぞち)」と呼ばれていました。
幕末から明治にかけて蝦夷地を調査した人物として知られているのが、探検家の松浦武四郎(まつうらたけしろう)です。
松浦武四郎は何度も蝦夷地を調査し、その地理や人々の暮らしについて多くの記録を残しました。
北海道という名前が誕生したのはいつ?
北海道という名称が正式に使われるようになったのは、明治時代です。
1869年、蝦夷地は北海道と改称されました。
北海道の公式資料によると、松浦武四郎は1869年に道名についての意見書を提出し、「日高見」「北加伊」「海北」「海島」「東北」「千島」という6つの候補を挙げました。
この中の「北加伊道」が、現在の「北海道」につながっていきます。
松浦武四郎が提案した「北加伊道」とは
松浦武四郎が提案した「北加伊道」は、「ほっかいどう」と読みます。
その後、「加伊」という漢字が「海」に変更され、現在の「北海道」になったとされています。
北海道では松浦武四郎を「北海道の名付け親」として紹介しており、彼が「北加伊道」を提案した7月17日は、現在「北海道みんなの日」とされています。
普段何気なく呼んでいる「北海道」という名前にも、150年以上前の歴史が隠れているのですね。
なぜ「西」「南」がつく都道府県はないの?
「東と北があるなら、西と南もあってよさそう」と思う方もいるでしょう。
しかし、都道府県名は東西南北がそろうように名付けられたわけではありません。
都道府県名は東西南北をそろえて付けたものではない
現在の都道府県名には、それぞれ異なる歴史や地名の由来があります。
そのため、「東があるから西も作ろう」「北があるから南も必要だ」というようなルールで決められたわけではありません。
結果として、現在は「東」が東京都、「北」が北海道に残り、「西」と「南」は都道府県名には使われていないのです。
歴史や地名の由来がそれぞれ違うため
たとえば、青森県、秋田県、福岡県、鹿児島県なども、日本全体で見ると北や南、西に位置します。
しかし、方角をそのまま県名にしているわけではありません。
都道府県の位置と名前は必ずしも一致しないため、「日本の南にあるから南○○県」といった名前になっているわけではないのです。
市町村名には「西」「南」がつく場所も多い
都道府県名では珍しい東西南北ですが、市区町村などに目を向けると、方角を使った地名はたくさん見つかります。
また、「東日本」「西日本」「北日本」など、広い地域を表す言葉にも方角が使われています。
つまり、東西南北そのものが地名に使われにくいわけではなく、現在の47都道府県名ではたまたま2つだけということです。
昔の日本には東西南北がつく地域名があった
現在の都道府県名では「東」と「北」しかありませんが、日本の昔の地域区分を見ると、東西南北すべての漢字が登場します。
古代日本の「五畿七道」とは?
古代の日本では、国土を「五畿七道(ごきしちどう)」と呼ばれる形で区分していました。
「五畿」は都の周辺地域、「七道」はそれ以外の広い地域を分けたものです。
その七道の名前を見ると、方角を表す漢字が多く使われています。
東海道・東山道・北陸道・南海道・西海道があった
東西南北の漢字が含まれている主な名称を整理すると、次のようになります。
| 方角 | 昔の地域名 | 読み方 |
|---|---|---|
| 東 | 東海道 | とうかいどう |
| 東 | 東山道 | とうさんどう |
| 西 | 西海道 | さいかいどう |
| 南 | 南海道 | なんかいどう |
| 北 | 北陸道 | ほくりくどう |
こうして見ると、東西南北すべてがそろっています。
北海道という名称についても、北海道庁は、古代から東海道・西海道・南海道などの名称があったことに触れています。
「道」は現在の道路とは少し意味が違う
現在「東海道」と聞くと、道路や新幹線を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、古代の「道」は道路そのものだけではなく、複数の国をまとめた広い地域区分としての意味も持っていました。
そのため、「東海道=昔から現在の道路だけを指していた」と考えると少し違います。
地理の歴史を知ると、「北海道」の「道」という字も少し違って見えてきますね。
「東日本・西日本・南日本・北日本」は都道府県名ではない
東西南北について考えていると、「東日本」「西日本」「東北」なども気になってきます。
これらは都道府県そのものの名前ではなく、複数の都道府県をまとめて表す地域名です。
東日本と西日本は広い地域を表す呼び方
「東日本」「西日本」は、日本列島を大きく東西に分けるときに使われます。
ただし、どの都道府県までを東日本・西日本とするかは、目的や分け方によって異なる場合があります。
北日本・南日本も正式な都道府県名ではない
「北日本」や「南日本」も、方角を使った地域の呼び方です。
都道府県名とは別なので、「南日本県」のような県が存在するわけではありません。
「東北」も1つの都道府県ではなく地域名
「東」と「北」が両方入っている「東北」も忘れてはいけません。
ただし、「東北県」という県があるわけではなく、青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県の6県をまとめて「東北地方」と呼びます。
都道府県名と地域名を分けて考えると、混乱しにくくなります。
東西南北がつく都道府県クイズ
ここまで読んだ内容を、簡単なクイズで確認してみましょう。
第1問:「東」がつく都道府県は?
答え:東京都
47都道府県で「東」が名前に入っているのは東京都だけです。
第2問:「北」がつく都道府県は?
答え:北海道
こちらも北海道だけです。
第3問:「西」がつく都道府県はいくつ?
答え:0
「西日本」という言葉はありますが、「西」が入っている都道府県名はありません。
第4問:「南」がつく都道府県はいくつ?
答え:0
南に位置する県はたくさんありますが、「南」を含む都道府県名はありません。
第5問:東西南北すべてを合わせると何都道府県?
答え:2都道府県
東京都と北海道の2つです。
全部正解できましたか?
東西南北がつく都道府県に関するよくある質問
東京都と北海道以外には本当にない?
はい。現在の47都道府県名の中では、「東」が東京都、「北」が北海道に使われているだけです。
「西」「南」が入った都道府県名はありません。
北海道の「北」は方角を意味している?
北海道のもとになった名称は、松浦武四郎が提案した「北加伊道」です。
単純に「日本の北にあるから北海道」とだけ説明するより、松浦武四郎による命名の歴史まで知っておくと理解しやすいでしょう。
東海道は都道府県ではないの?
東海道は都道府県名ではありません。
古代には広い地域区分を表す名称として使われ、現在では道路や鉄道などの名称としてもよく知られています。
東北地方は1つの都道府県ではないの?
東北地方は1つの都道府県ではなく、複数の県をまとめた地域名です。
「東」と「北」の両方が入っているため少し紛らわしいですが、「東北県」という県はありません。
昔は「西」や「南」がつく県があった?
現在のような都道府県制度とは異なりますが、古代の地域区分には「西海道」「南海道」といった名称がありました。
昔の日本まで範囲を広げると、東西南北すべてが地名に使われていたことがわかります。
まとめ|東西南北がつく都道府県は東京都と北海道の2つ
東西南北がつく都道府県は、全部で2つです。
- 「東」がつく都道府県:東京都
- 「西」がつく都道府県:なし
- 「南」がつく都道府県:なし
- 「北」がつく都道府県:北海道
東京都は、江戸が1868年に東京へ改称されたことに始まり、「東の京」という意味を持つ名前です。
一方の北海道は、松浦武四郎が提案した「北加伊道」がもとになり、「加伊」が「海」に変わって現在の北海道になったとされています。
現在の都道府県名だけを見ると「西」と「南」はありませんが、昔の地域名には、東海道・東山道・西海道・南海道・北陸道など、東西南北を使った名前がありました。
「東と北しかない」と覚えるだけでも面白いですが、名前の由来まで知ると、日本の地理や歴史がさらに身近に感じられますね。
