夏が来ると、セミの大合唱が毎朝繰り広げられます。時には少し騒がしく感じることもありますが、これも日本の夏の一つの象徴ですね。
セミの種類によって鳴き声が異なります。ただ鳴き声を聞いて「このセミは○○だね」と子どもや友人、家族に教えるのは非常に楽しいものです。
この機会に、よく耳にする代表的なセミの鳴き声の特徴について探ってみましょう!
セミが鳴く理由について
セミの鳴き声、特にその大きな声を発しているのはオスのセミです。
蝉の鳴き声は朝から夕方にかけて特に聞かれ、その主な目的はメスに自己の存在を知らせ、配偶者を引き寄せるためです。成虫の短い生涯の中で子孫を残すため、オスは一生懸命に鳴き続けます。
この事実を知ると、時には耳障りに感じるその声も、彼らの生存戦略として理解できますね。
また、一般的にセミは成虫としてわずか1週間しか生きないと言われますが、実際には約1ヶ月程度生存することが多いです。このような誤解が存在する中で、セミの生態についてもっと知ることは興味深いです。
代表的なセミの種類と鳴き声の特徴
ミンミンゼミ
鳴き声: “ミーンミンミンミンミーン、ミーンミンミンミンミーン”
観察期間: 7月から10月
分布: 北海道から九州
体長: 約5.5〜6.5cm
ミンミンゼミの鳴き声はよく耳にするもので、その透明な羽根と青緑色の身体はとても美しいです。
アブラゼミ
鳴き声: “ジージリジリジィ、ジージリジリジィ”
観察期間: 7月から10月
分布: 北海道から九州
体長: 約5.5〜6cm
アブラゼミはその名の通り油で揚げたような鳴き声が特徴で、その鳴き声は日本各地で聞かれます。
クマゼミ
鳴き声: “ワシャワシャワ、ジャアジャアジャア”
観察期間: 7月から9月
分布: 関東以西
体長: 約6〜6.5cm
クマゼミは体が大きく、その力強い鳴き声は夏の暑さを感じさせるものです。
ツクツクボウシ
鳴き声: “ツクツクボーシ、ツクツクボーシ”
活動期間: 7月から9月
分布: 日本全土
体長: 約4〜5cm
ツクツクボウシはその名前の通り、独特な鳴き声で知られています。その鳴声の終わり方がユニークで、聞いているとつい微笑んでしまうほどです。このセミの名前を付けた人のセンスには感心させられます。
ニイニイゼミ
鳴き声: “チィーーー、ニィーー”
観察期間: 6月から9月
分布: 北海道から沖縄
体長: 約3〜4cm
ニイニイゼミは木に溶け込む色をしており、安定した鳴き声が特徴です。
ヒグラシ
鳴き声: “カナカナカナカナ、カナカナカナカナ”
観察期間: 7月から9月
分布: 日本全域
体長: 約4cm
ヒグラシの鳴き声は哀愁を帯びており、その独特な音は日本の夏の終わりを感じさせます。
主に鳴いているのはオスで、その目的はメスにアピールするためです。セミによって求愛の方法が異なるのは興味深いですね!
セミの鳴く時期と時間帯、夜の鳴き声について
セミの成虫が活動する時期は、種類により異なりますが、通常は6月下旬から10月上旬までです。この間、セミの鳴き声を聞くことができます。
セミが鳴く時間帯は種類によって異なりますが、一般的には以下のようになります。
・クマゼミ:早朝から午前中
・ヒグラシ:早朝や夕方
・アブラゼミ:早朝や午後から夕方
・ニイニイゼミ:早朝から夕方にかけて(1日中)
・ツクツクボウシ:午前中から夕方
これらのセミは特に早朝に活発に鳴いていることが多いです。
セミは通常、夜には鳴かないとされていますが、夏場には夜間でも気温が高いため、時折夜に鳴くことがあります。
また、都市部では夜間の人工的な光によって周囲が明るくなることで、セミが鳴くこともあるため、夜にセミの声を聞くことがあります。
なぜなら、日中と同じような環境が夜間でも再現されるためです。
セミの鳴き声と文化
日本ではセミの声が文化的にも評価されています。
松尾芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」など、セミの声を詠んだ俳句は、日本の夏の風情を象徴しています。
このように、うるさいと感じられる鳴き声も、日本では風流として捉えられることがあります。
一方、海外ではセミの声が単なる雑音とみなされることが多いです。文化によって自然の音に対する感じ方が異なるのは興味深い現象です。
「蝉時雨」という表現の意味と由来
「蝉時雨」という言葉に馴染みはありますか?これは夏を象徴する季語であり、また、いくつかの歌のタイトルにも使用されています。
この表現は、多くの蝉が同時に鳴き始める様子を、断続的に降る雨、すなわち時雨に例えたものです。
この比喩は、蝉の大合唱が一時的に強まったり、弱まったりする様子を、雨が降ったり止んだりする様子に重ねています。
セミの種類はさまざま
多種多様なセミの鳴き声を楽しむのは、外に出て直接体験するのが一番です。子どもと一緒にどのセミの声か当てる遊びをするのも、夏の楽しい思い出になるでしょう。また、夏の自由研究の題材としても最適です。
ここで紹介したセミ以外にも、さまざまな種類のセミがいますので、セミが好きな方はぜひさらに探求してみてくださいね。